超短編です

前回の日記で宣言通り、日記での超短編文をリハビリも兼ねて執筆してみました。
閲覧はくれぐれも自己責任でお願いします。
どんな物でもバッチコーイと心の広い方はつづきよりご覧くださいませ。

赤い悪魔の弟子入り志願


「ジュリア、折り入ってあなたにお願いしたい事があります」
「どうしたの？アニシナ。そんなに改まらなくとも、私に出来る事なら何でもするわ」
ジュリアの言葉にアニシナはにこりと微笑む。
「そう言っていただけるとはありがたいですね」
「私とあなたの仲じゃない。遠慮しないでもっと頼ってくれると嬉しいわ」
「では、お言葉に甘えて・・・・・」
アニシナはこほんと1つ咳払いをした。
「私に是非あなたの拳闘術をご教授願いたいのです！」
アニシナの突然の言葉にジュリアはキョトンとしながら言った。
「私の拳闘術を？」
「えぇ」
「アニシナに私の拳闘を伝授するのは構わないのだけど、まだまだ修行中の身である私なんかで本当に良いの？教授してくれるならもっと良い先生がいると思うけど」
「いいえ、聞けばジュリアの拳闘術の腕前は他者の追随を許さない大変素晴らしいものと聞き及んでおります。どんな輩も獰猛な熊であろうとたったの1撃で捻じ伏せると言われるあなたの腕前、是非とも私にご教授ください」
ジュリアは1撃と言うのは大げさよと言いながら苦笑した。
「分かったわ。私で良ければアニシナに私の拳闘術を伝授するわ」
「感謝します。どうぞよろしくお願いします、ジュリア」
「えぇ、その代わり覚悟しておいてね。やるからには徹底的にやるから途中でねなんか上げたら承知しないわよ？」
「勿論、望むところですわ」
ジュリアとアニシナは互いに不敵に笑いあった。
「ところで、アニシナがいきなり拳闘を習いたいだなんて、何かあったの？」
「愚問ですね。このご時勢、眞魔国でもいつ戦火が繰り広げられても分からない時代です。そうなると1番被害を被るのは必然と女性や子供となりましょう」
「そうね、女性や子供は男性と比べられるとやはり弱く見られてしまうのよね」
「嘆かわしい事です。この眞魔国がそう簡単に戦争に負けるとは思いませんが、油断大敵とも言います。万が一にも我が国が敗戦すれば敵国の無粋な兵達は特に女性を乱暴に扱おうとするのは目に見えています」
「そうなると本当に許せないわよね。女だからって甘く見るんじゃないわよと言ってやりたいわ！」
「女性を丁重に扱わない男など男にあらず。私達女性はいつ何時どんな状況であろうとも女性としての強き誇りを忘れてはいけません！その為にも私は頭脳だけではなく、ジュリアの様に我が身も鍛えなければなりません！」
「そういう事だったの、それなら喜んで協力するわ。一緒に強くなって軟弱な男達なんかに負けない様にしましょう！」
「当然です。女性を甘く見る男などいっその事、不能になるまで叩きのめしましょう！」
ジュリアとアニシナは今正に熱く燃え滾ってる状況であった。
鬼軍曹と赤い悪魔の至上最凶のタッグマッチが完成し、眞魔国の主に男達の被害はより一層拡大したのは言うまでもなかったとさ。